ケアーズサポート株式会社

【夢を叶えるプロジェクト】「映画を観たい」を叶えました!

今回、夢を叶えるプロジェクトの担当となり、対象の利用者様の選考の際、数名の方のお顔が浮かびました。その中でも、どのような生活をされてきたのか、娯楽はどんなものがあったのか、語られるお話の中で興味深かったのが和泉様でした。

 

「映画」をもう一度観てみたい

和泉様はご結婚されてからご主人様のご実家である香川県の小豆島からまだ舟で20分程沖の豊島に移住されています。

とても素敵な自然環境の中で5人のお子様の子育てをされたそうです。

また、当時、島の保育園の先生としてお勤めもしておられました。日常のお買い物は舟で小豆島へ。

自然災害など大変な事も沢山おありだったようですが、魅力的な小さな島での生活のお話はとても興味深いものでした。

では、島ではどんな娯楽がありましたか・・?との質問ににっこりと笑顔で答えて下さったお答えが、『映画』でした。

定期的に島に映画が届けられ、小学校の講堂を借りて島の皆さんで映画鑑賞会を楽しまれたそうです。

お話をお聞きしながら、勝手に私は島の暮らしに憧れてしまいました!映画がお好きなんですか・・?の問いかけには即答で「好き好き。いっぱい観たよ。」と次々と俳優さんのお名前が出てきます!

ほとんどの方、私が存じ上げない往年の俳優さんでしたが…。今また映画を観に行けるのなら行ってみたいですか?との夢プロの企画への下心ありありの問いかけには、すこしお顔を陰らせて「足も頼りないし…。今の出てる女優さんも分からないし…。」と行きたい気持ちはあるご様子ですが、自分自身の歩行状態やスタッフへ迷惑をかけてしまうのでは?という不安な気持ちから少し気を遣ってお話しされているように見受けられました。

併せて、私達スタッフとシアターへ行くところまでは叶いますが、和泉様がご存じの俳優や出演映画が上映されるシアターがあるのかかも分からない状態でした。しかし、探してみると…ありました!

吉田駅から乗り換え無しで直通の九条駅に『シネヌーヴォ』というレトロな外観のとても素敵な小さな映画館があります。

そこでは昭和初期の白黒映画をデジタル処理されたものが上映されていました。

下見を兼ねて個人的に休日に行ってみましたが、シアターのスタッフさんも温かく、夢プロの企画のお話しをさせて頂くと「いい企画ですね。何かお手伝いできることがあれば仰ってくださいねー!」と言って下さいました。

出勤日に和泉様にお伝えすると「映画館いけるの??嬉しいです〜♪♪」と笑顔のお返事を頂きました。

 

 

プロジェクト当日

待ちに待った当日はお天気にも恵まれ、和泉様は私たちと共に吉田駅のホームを歩かれ、久々の電車に揺られ九条駅に到着しました。

九条駅からはご本人様は「歩けるよ~」と仰いましたが、車椅子にてシアターまで5分、ぼちぼちと会話に花を咲かせながらむかいました。

その日の上映作品は、小津安二郎監督の『早春(1956)』。女優から後に政治家に転身された淡島千景さん、池部良さん、岸恵子さんがメインキャストの戦後の東京での若いサラリーマンの日常を描いた作品でした。

時代は違いますが、共感できることは多々あり、私達スタッフも楽しめました。

2時間以上の長い作品を最後まで集中して観ておられた和泉様のご様子は、本当に映画がお好きな方だと改めて感心させられました!

映画鑑賞後は近くの商店街にあるお蕎麦屋さんで昼食に手打ちのお蕎麦をいただきながら、当時の時代背景のお話し交えての映画の感想、和泉様の見解、解説を楽しくして下さり、大笑いしながらの楽しい時間を過ごさせて頂きました。

映画『早春』では、若い共働き夫婦の夫婦仲の危機やご主人の池部良と職場のマドンナ岸恵子とのいけないオフィスラブ(笑)。池部良の奥様の淡島千景の決断は…と。現代でもありがちなエピソードでありながら時代は戦後の高度経済成長期の東京。岸恵子の可愛い、でも、かなりの小悪魔っぷりはいかがなものかと…。和泉様は「まぁ良くはないけどねぇ〜。でもまぁ、うん、かる〜いわなぁ。浮気やけどまぁ、あれくらいは、かる〜いわなぁ。」と。あれくらいの火遊びは許してあげないと…。との見解のようでした。

その時代の奥様は心がとても寛容であられたのかなぁ、、と。確かに「多少の火遊びは男の甲斐性。」って言葉を聞いたことがありますが…。今は言わないですね(笑)

そのあと映画の物語としては、池部良は東京から田舎に転勤となり、奥様は葛藤しながらも遅れてご主人の元へ。

夫婦で田舎へ移住。和泉様はご結婚きっかけでの島への幸せな移住でしたが、「こんな所⁉︎って最初はびっくりしたよー」と当時を振り返っておられました。

和泉様のとてもチャーミングでユーモア溢れるお人柄は存じ上げていましたが、今回の夢プロ企画を通じて、さらにどんな人生を過ごされて来たのかも教えて頂き、そんな和泉様の小さな夢を私達スタッフも共に体験させて頂く事が出来ました。

この企画に快くご賛同いただいたご家族様に心より感謝いたします!

 

まとめ

夢を叶えるプロジェクトを通して、私たちスタッフも普段とは違う利用者様を知る機会になっています。

利用者様にはなるべく多くの「できる・したい」を叶えて欲しいと考えてこのプロジェクトを開催してきましたが、

私たちスタッフにも新たな発見や楽しさをもたらしてくれる良い企画だと実感しました。

この企画は開催しましたら、どんどん記事をアップしていきますのでぜひお楽しみに!!

過去の夢プロジェクトはこちらから!

https://caressupport.com/column/dream-2/