介護スタッフの負担を減らし、施設に暮らす入居者さまとの交流が体験できる介護ボランティア。ボランティアは、ほぼ毎日同じ顔ぶれと接している入居者さまにとって、施設以外で人とのつながりを持てる価値のある活動です。この記事では、介護ボランティアの仕事やメリット、東大阪市の介護施設ケアーズサポートの取り組みやビジョンについてご紹介します。
介護ボランティアとは
介護ボランティアとは、介護施設において介護スタッフのサポートを行う活動です。介護の求人に興味がある方や、転職を考えている方のほか、家族や親戚の介護を見据えて参加する方も多くいます。介護ボランティアに資格などは必要なく、18歳以上であれば参加可能です。
介護施設の入居者さまは、施設内の介護スタッフとのつながりは深くなるものの、外部とのつながりは一般的な日常を送る方よりも少ないのが現状です。特に、現代のコロナウイルス感染症において、医療機関や高齢者施設では面会を遮断する事業所も一時的に増えたため、つながりは劇的に減少しました。そんななか、介護ボランティアは入居者さまが外部とのつながりを感じられるひとつの手段で、とても価値のある活動と言えます。入居者さまは、ボランティアとつながりを持つことで、普段とはちがう刺激も得られるでしょう。また、地域の介護施設としてコミュニティを広げられるひとつのきっかけにもなります。
介護業界は慢性的な人手不足と言われており、介護スタッフの負担は増える一方です。ボランティアを積極的に配置することで、スタッフの負担を軽減し、円滑に業務を行えるでしょう。なおかつ、介護業界に興味を持っているボランティアが、施設スタッフとなり介護士として働く方が増えることも目的としています。
介護ボランティアの仕事内容
介護ボランティアの主な仕事内容は、介護スタッフの補助です。そのほか、介護施設の入居者さまとのコミュニケーションや、レクリエーション活動を担当する場面もあります。
スタッフの補助に携わる仕事は、ボランティアができることとできないことが明確です。身体的な補助である食事介助や排泄介助、入浴介助などは介護資格を保有する介護士の仕事であるため、ボランティアが行うことはできません。体位変換やベッドから車椅子への移乗なども同様も、ボランティアがひとりで行うことはできません。安易に移乗などを行なってしまうと、大きな事故につながる可能性もおおいに考えられます。身体的な介助については、介護士がいることが前提で、あくまでも補助の役割であることを覚えておきましょう。
介護ボランティアとして行えるのは、ベッドメイキングのほか、食事の配膳サポート、共有スペースやお部屋の掃除、施設内の備品の手入れなどがあげられます。これらは、介護資格なく行える内容であり、日々忙しく働く施設のスタッフがなかなか手の行き届かない仕事でもあります。細かい仕事ではありますが、施設内を清潔に保つことは入居者さまやスタッフ、そして訪れる人々に好印象をあたえ、雰囲気を明るくすることができます。
ボランティアにとって入居者さまとのコミュニケーションは、最大の魅力とも言えるでしょう。入居者さまとの会話を通して学べることは数多くあります。手先を動かす折り紙やお手玉のほか、麻雀や囲碁など一緒に娯楽を楽しむのも良いでしょう。散歩やおでかけ、一緒にコーヒーやお茶を飲むなどのコミュニケーションは、人とのつながりを感じられます。ボランティアが来ることで、介護施設に新たな風が吹き、入居者さまも活き活きと活動できます。歌やマジックなど特技をお持ちであれば、レクリエーションの時間を設け入居者さまの前で披露する介護施設もあります。入居者さま、スタッフ、ボランティアが参加するレクリエーションは一体感も生まれ、有意義で価値のある時間となります。
介護ボランティアをする際は、配置された事業所のルールを把握しておく必要があります。特に、入居者さまのプライバシーの配慮は徹底するようにしましょう。たとえ世間話であっても、入居者さまの身体状況や様子をむやみに口外してはいけません。介護施設の信頼を損ねてしまう可能性もあるため注意が必要です。
ボランティアへの参加に不安がある方は、お住まいの地域で開催している介護関連の養成講座を確認してみてください。事前に介護に関する知識をつけておくことで、自信にもつながります。東大阪市では、認知症の基本的な知識や対応などが学べる「認知症サポーター養成講座」が開催されています。これから介護職への就職・転職を考えている方も受けておくと良いでしょう。
介護ボランティアのメリット
介護ボランティアに参加することで、介護現場の現状を体感できます。「介護業界には興味があるけど、いきなり介護の求人に応募するのは不安…」という方は、ボランティアからはじめてみるのもひとつの方法です。まずは、介護ボランティアとして現場に入ることで、自分自身が介護職に向いているのかがわかるのに加え、実際に働きはじめたときのギャップも防げます。介護ボランティアをするのに資格は不要なため、体験しやすいのも魅力です。
ボランティアが来ることは、介護施設にとってもメリットが多いです。そのひとつに介護未経験者の率直な意見が聞けるという点にあります。介護スタッフとして長く働いていると、どうしても介護業界の当たり前を押し付けてしまいがちです。ボランティアの新しい視点からの意見は新鮮で、介護士の凝り固まった思考を緩和してくれる存在とも言えます。一方で、正しい介護技術や知識をボランティアに伝えることで、介護業界のことをより多くの方に知ってもらえるきっかけにもなります。
また、介護施設の入居者さまはボランティアの方と接するのを楽しみにしている方ばかりです。スタッフだけでなく、外部の方とつながりをもつことで入居者さまの視野も広がります。新鮮なコミュニケーションは、入居者さまの生きる活力ともなるでしょう。
「介護の仕事は大変」というイメージをお持ちの方は多いですが、実際に現場に入ると見え方や感じ方も変わります。入居者さまとの交流で得られる達成感や職場でのキャリアアップなど、介護業界には人生を豊かにする要素が存分にあります。
人とのつながりを通して描くビジョン
近年「新型コロナウイルス」の流行により、人と人とのつながりがどんどん希薄になっていると感じています。在宅ワークやリモート会議など、出社しない自宅での働き方がクローズアップされるようになりました。新しい時代に合った便利な手段なのは間違いありませんが、どこか寂しさを感じている方も多いのではないでしょうか。
当社が関わる住宅型有料老人ホームや高齢者施設という生活空間では、毎日ほぼ同じスタッフにケアを受け、ほぼ同じ利用者さま・入居者さまと顔を合わせる日々です。入居者さまや利用者さまの【人との関わり】【他人とのつながり】を考えてみると、特定の人とのつながりは深くなる一方で、施設外の人とのつながりはほとんどないのが現状です。果たしてそれだけのつながりで、本当に充実した生活と言えるのでしょうか。
本来人間は安定を求める性質があると同時に、変化を求める生き物であると感じています。自分以外の誰かと「コミュニケーションを取りたい」「つながっていたい」そう思うのは、きっと人間の本能であり、人とのつながりをなくして生きていくことは不可能です。
ケアーズサポート株式会社が運営する住宅型有料老人ホームは、老人ホームそのものを「人と人とがつながれる場」として提供しています。入居者さまが多くの人とつながりを持つことで、精神的な満足度を高めていただくことが1番の目的です。そしてただそれだけではなく、働く従業員や来訪して下さる方にとっても、いろいろな方と接することで良い刺激を受ける、これはとても有意義なことだと考えています。
当社は、介護ボランティアの方をはじめ、東大阪市の中学生やスタッフの家族、支援学校の生徒さんや就労支援事業所の利用者さま、介護の仕事に興味のある方々を定期的に施設に招いています。東大阪市の介護施設として、地域に根付いた活動を行い、入居者さま、介護スタッフのつながりを広げています。
年齢や性別関係なく、なるべく多くの方を招き、ときには地域の方も参加可能なイベントも開催しています。多くの人が集い、つながり、そこから新たな関係性が生まれ、またその関係性がより強固な「絆」のようになればいいなと考えている今日この頃です。
当社が運営しているのは、東大阪市川田の「なごみの家川田」、東大阪市南四条町の「なごみの家瓢箪山」、東大阪市玉串町東の「ガーデンホームなごみ東花園」の3つの住宅型有料老人ホームです。それぞれの施設で活動は異なりますが、どの施設も人とのつながりを重要視しています。この3つの施設は、これからも東大阪市の「つながれる場」として開放し続けていきます。そして「つながれる場」がいつか「絆が生まれる場」になると信じて運営していく所存です。
まとめ
このような時代だからこそ人とのつながりを求めている方は多いです。特に、毎日同じ顔ぶれと生活している入居者さまにとって、施設外の方とつながりを持つことは、刺激的であり生活の質も向上します。介護ボランティアは、施設、入居者さま、そして参加する方にとっても有意義な活動です。「ボランティアをやってみたい!」という方は、当社へお気軽にご連絡ください。