皆様ご存じの様に介護業界は人手不足の代表的な業界であると同時に、転職がとても盛んな業界でもあります。
求職者に対して求人数が多いので転職が容易な為、たいして苦労もせずに、退職後もすぐに次の仕事が見つかる事が多いです。だからと言って求人票に記載されている条件のみで転職先を決めてしまうと「こんなはずではなかった」「聞いていた話と違う」 などの問題が発生して結局はまた転職をする羽目に・・・
そんな事にならない様に「良い会社・良い職場か否か」を見極める為に面接や職場見学で求職者がチェックするべきポイントをまとめてみました。
あくまで私個人の指標となりますが、私は今まで老健、グループホーム、特養、デイ、住宅型有料で就業経験があり
働き方も派遣、パート、契約社員、正社員と経験し職位も一般の介護職員から施設長までを経験済です。
またここ数年は採用担当の責任者のべ800名以上の採用面接を行って来ました。
ですので決して机上の空論ではなく実体験にもとずいたポイントとなりのできっと何かの参考になるのではないかと思います。勿論最終判断は求職者様自身がすべき事だと思いますが、転職をお考えの方の参考になれば幸いです。
それでは以下のチェックポイントを確認して下さい。
①採用までのプロセスが短かすぎないか?
「退職したら期間をあけずに働きたい」と考える方も多いかと思いますが、応募から内定が出るまでのプロセスは確認する必要があります。
「面接は1回のみ 」「面接後すぐに働けます」などど聞くと一見求職者にメリットがある様ですがそうではありません。
良い人材を採用しようとする場合は当然企業側も慎重になります、複数の面接管や面接以外の適正検査やグループ討議を取り入れている企業も多いです。
プロセスが複雑で長くなればなる程企業が採用に力を入れている事が解りますか?
採用に時間と労力をかける事は企業にとってはもの凄いコストの負担になります。
それだけのコストをかけてでも良い人を採用したいと言う姿勢の表れです。
採用を急ぐ企業はとりあえず早く頭数が欲しいので、逃げられない様にプロセスを短くしようとします。
少し立ち止まって考えてみて下さい。
あなたは簡単な面接を受けて採用された人と働きたいですか?
それとも多くの人が様々な角度から見て採用に値する人だと判断された人と一緒に働きたいですか?
採用プロセスの長さや内容を確認する事はそのままあなたが「入社したらどんな人と一緒に働くのか?」と言う事をイメージさせてくれるとても大事なものなのです。
個人的には応募から内定まで3週間以上、面接が最低2回以上プラスして適性検査や職場見学等の項目が ひとつでもあればしっかりしている会社だと判断して良いと思います。
②面接官が現場を経験している人か?
あなたは介護の経験が全くない方に介護職員の気持ちが解ると思いますか?
介護職が日々感じる肉体的、精神的なストレスまた逆に苦労やストレスが一瞬で吹き飛ぶ様なやりがいや喜びを感じる瞬間介護を経験した人なら誰もが両方感じた事があると思います。
ですが、経験のない人にこのしんどさや苦しや、喜びや充実感が理解出来ると思いますか?
私は無理だと思います。そもそも経験・体験していないわけですから。
貴方はそんな「介護の仕事」を知らない人から採用の判断をしてもらいたいですか?
私は嫌です。現在進行形で介護の実務に携わっていなくても一定の年数介護の経験をしている人が面接管かどうか?
これも確認しておく項目です。
そもそも介護の経験の無い人に介護職員の良し悪しを判断する事を任せている事自体がどうかと思いますし、その会社の選考方法に疑問を持ってしまいます。
最低でも介護の実務を3年以上経験された方が面接管の中に含まれているかを確認する事をお勧めします。
③会社の都合ばかりを言わないか?(個人を尊重してくれるか?)
面接の中で色々と確認事をされる事も多いかと思います。
例えば「夜勤は〇回はお願いします。」「公休希望は〇回までです」「副業は禁止です」などですが、これらのお願いが多すぎる会社も要注意です。
何故なら会社のルールで縛ってしまおうとする意図が見えるからです。
雇用する側から考える会社の都合の良いルールの中で人を管理する方が楽だからです。
特に一般的なルールなら問題ありませんが、その会社・職場独自のルールで、御自身が疑問に思う様な物があれば要注意です。
そんな時は遠慮せずに「なぜその様なルールがあるのですか?」と聞いてみて下さい。
回答に納得出来ない様でしたら慎重入社は考えるべきだと思います。
またお願い事やルールの中に個人を尊重する要素があるかどうかも確認してみて下さい。
④マイナス面をきちんと伝えてくれるか
当たり前の事ですが働く側から見て全ての望みを叶えてくれる会社は無いと思います。
その方にとって必ずしもプラスにはならない事をきちんと説明してくれるかも重要なポイントです。
例えば「一定の人数短期間で退職される方もいらっしゃいます」「やりがいはあるが仕事がハードだと感じる社員も〇%はいます」「残念ながら社員の離職率は〇%です」「成長意欲の乏しい方は正直仕事についていけないと思います」
この様に決して求職者にとってプラスにならない事を正直に伝えてくれるかどうか?この点も大切です。
いい事ばかり言う会社に対してはきっと多くの方は「ほんとかな?」と疑問を持つのではないでしょうか?
余談ですがこのマイナスの事を伝えた時のあなたの反応を面接官は厳しくチェックしている事も忘れないで下さいね
⑤抽象的な表現が多くないか?
会社の制度や給与体系、昇給・昇格・評価制度などについて面接時や採用前に多くに会社が説明してくれると思います。
会社から説明が無い場合は上記の内容について積極的に質問も行って下さい。
そして説明や返答の内容が抽象的な場合は注意が必要になります。
例えば「賞与は〇円位」「昇給は〇円位」「だいたい〇年位で〇〇に昇格」
この様な表現がある場合は会社としての規定が存在せず、役職者や経営者が自身の裁量で決めている場合があるので少し注意が必要です。
きちんとして社内ルール・規定がある会社ならば「賞与は〇円~〇円程度で昨年度の実績は〇円」「昇給は年〇回〇円~〇円の範囲」「昇格の条件は〇〇」と言う風に具体的に説明をしてくれるはずです。
⑥入社時期を急がせないか?
最後に採用が決まった後の入社日の調整についてですが特別に何らかの理由がないのに「すぐに働いて欲しい」「〇日には来てもらわないと困る」などど入社を急がせる会社も注意が必要です。
とりあえず人がいないので一日でも早く来てほしい・・・と考えている場合があります。
この場合に当然人員不足の現場な事が多く、充分な研修や指導が行われず、ストレスが溜まるばかりではなく実際の業務に支障をきたす可能性もあります。
私の経験ですが、とある職場に転職した際に 「経験者の方も丁寧に指導します」と聞いていたのに、実際は人不足で指導担当の方も忙しそうで、十分な指導を受けられず、数日後には「経験者だから解るよね?あとはよろしく」と言われて唖然とした記憶があります。
こんなケースも考えられるので入社日を急がせる会社にも注意して下さい。
以上が私の実体験をもとに考えた面接時に確認すべきポイントです。
転職活動をされる方に少しでも参考になれば幸いです。