介護の仕事内容と言えば、入浴介助や歩行・車いす移動での介護、トイレやおむつ交換といった排泄介助が多く取り上げられますが、利用者さまの楽しみのひとつでもある「食事」の介護は非常に大切で、こまやかな気配りが必要です。
今回は、ケアーズサポートの東大阪市にある東花園、瓢箪山、川田の施設が実施している食事介助のポイントや注意点について解説します。介護士として働いているけど、食事介助方法に自信のない方や、介護業界に興味はあるけど、知識がなく不安を感じている方はぜひ参考にしてください。
食事介助が必要な理由
年齢を重ねると、味覚や嗅覚も徐々に衰えてきます。味覚が衰えてしまうと、濃い味付けを好んで食べてしまう傾向にあり、嗅覚が衰えるとご飯の匂いが感じ取れず食べる気力を失ってしまうことがあります。味覚や嗅覚の衰えは栄誉面にも影響が出ることから、家族や介護スタッフのサポートが必須です。加齢で歯を失い、顎の力も弱くなれば、ひとりで食事ができない状態になる方も多くいます。そのようなときは、食べ物の柔らかさや、食べやすいサイズを調整することが必要です。
また、高齢者の方の食事を介護するにあたって注意したいのが「嚥下障害」です。嚥下障害とは、のどや食道などの筋力が弱くなることで食事したものを飲み込むのが難しくなる障害です。食事によって食べ物がのどに詰まったために起こる「窒息」、気管に飲食物が入る「誤嚥」、水分の摂取量が減ることで起こる「脱水症状」などを引き起こしてしまいます。ですから、介護の現場での食事の介助は、食べる時の姿勢から、口に入れる量、飲み込みが終わるまでをしっかりと見守ることが重要になってきます。そこで、誤嚥や窒息を防ぐためにケアーズサポートで実践している方法をご紹介します。
食事介助の前におさえておくポイント
食事の時間になったら、まずは利用者さまの姿勢を整えましょう。食事中の姿勢は誤嚥を予防するのにとても重要です。まず、足は床にしっかり付け、座面に深く座ってもらいます。顎は引き、少し前かがみの姿勢がベストです。介護スタッフは、利用者さまの横で同じ目線になるよう椅子に座ってください。また、食事前にはしっかりと声かけすることを心がけましょう。高齢になると、固いものを食べるのも困難になり、食べられる種類が大幅に減っていくことから、利用者さまの食べる楽しみや意欲も半減してくる傾向にあります。そのため、メニュー内容や味をイメージできる声かけを行うことも大切なポイントです。
食事スタート!正しい食事介助のコツ
食事が運ばれてきたら、まずメニューをひとつひとつ説明しましょう。そして食事をはじめる前に、スプーンに入れたお茶や水で口のなかを湿らせます。湿らせることで、食べ物を飲み込みやすくなり、食事がスムーズに進みます。合間に水分補給をこまめに行うことも大切です。
口に運ぶ際の箸やスプーンは斜め下から持っていくと良いでしょう。介護スタッフは必ず座って同じ目線で介助を行うようにします。立ったまま食事介助を行うと、利用者さまの口元が見えにくく、顎の角度が上がってしまうため誤嚥のリスクが高まります。スプーンを抜くときにも上がらないように注意してください。
食べ物の量はティースプーン一杯を目安にし、口に深く入れすぎないようにしましょう。下唇に触れさせて、上唇で取り込むのがポイントです。口に入れたあとは、毎回飲み込みの確認をしてください。コミュニケーションは大切ですが、飲み込み前後には話しかけないよう心がけることで窒息や誤嚥を防げます。
食事を進めるなかで、口に運ぶときに「〇〇ですよ」と声かけをすることが大切です。何が口に入ってくるのか分からないと、利用者さまも不安になるので注意しましょう。次はどれを食べたいかを聞いたりしてもいいですね。
食事の最後はお茶を飲んで終わります。食後30分程度は食べたものが逆流しないように横にならず起きておいてもらうように声かけをしましょう。
食事介助の注意点やポイントまとめ
・利用者さまとの目線の位置を合わせる
・飲み込みを確認しながら食事を進めていく
・上を向かないよう、顎の角度に気を付ける
・食事の前後は姿勢への配慮を忘れずに行う
介護の仕事で重要な役割を果たす食事介助。ケアーズサポートでは、動画で介助方法を配信しています。観て学び、そして実践することで技術が身につきやすくなります。
またケアーズサポートでは食事介助のほかにも、【2分で身につく介護動画】と題してYoutubeチャンネルを運用中です。現在、介護職として教育の立場でお悩みの方や、多忙な皆様の業務効率化に少しでもお役に立てるようにと、介護技術に関するさまざまな方法をご紹介しています。利用者さまはもちろん、介護士にとっても安全で負担のかからない介護の知識や技術が学べます。
ケアーズサポートでは、東大阪市の東花園、瓢箪山、川田の施設で介護の仕事をもっと豊かに、そして成長させていくために、スタッフのどんな小さな悩みにも耳を傾けています。食事介助についてもそうですが、現場で気づいたことなどはどんどん提案してもらっています。介護スタッフで意見や技術を共有することで、より良い環境になっていきます。利用者さまには丁寧で思いやりのある介護を、そして介護スタッフは身体に負担のかからない安全な介護方法を日々模索しています。ケアーズサポートの働き方や考えに興味を持った方はぜひ求人一覧をご覧ください。