介護施設でのレクリエーションは、生活の質を向上させるためにとても重要な役割を持っています。身体機能や認知機能を維持することや利用者さまに生きがいを感じてもらうことができる時間です。この記事では、レクリエーションの目的や種類、東大阪市で運営している介護施設「なごみの家かわだ」で実施している、思わず参加したくなるようなレクリエーションの内容をご紹介します。
生きる希望が見つかる!レクリエーションの目的
介護の現場では社会的な活動を通して、利用者さまが生きる希望を見つけられる機会となるレクリエーション。レクリエーションは、身体・認知機能の維持と向上も目的とされており、多くの介護施設で取り入れられています。介護施設の入居者さまは、外出する機会が少ないことや、特定の人と顔を合わせるだけの単調な日々が続くため、レクリエーションを行うことで気分転換にもなるでしょう。介護施設入居者さま同士で交流も持てるため、日常的に会話も増え、日々の生活に彩りもプラスされます。
介護施設でのレクリエーションの参加者の比率は施設や状況によって異なります。介護施設入居者さまの興味・関心を得られない、ありきたりなレクリエーションをしてもあまり意味がありません。介護業界には昨今「レクリエーション介護士」という介護資格も登場し、それぞれの介護施設でレクリエーションの質の向上を目指す傾向があります。レクリエーション介護士の資格を保有していれば、介護現場でのマンネリ化を防げることや、新しい視点での取り組みを行うこともできるため、介護求人の転職などにもおおいに役立つでしょう。
自分できることが減ると、落ち込まれる方もいますが、充実した内容のレクリエーションを体験することで「まだ自分にもできることがある」「まだまだ挑戦できる」と、自分自身に自信を取り戻すことも可能です。レクリエーション介護士の採用はもちろん、介護スタッフの専門的な知識や技術の向上、外部のボランティアやスケッターなど、東大阪市の地域の協力による企画を用いることも、より効果的なレクリエーションを提供するために必要です。介護施設入居者さまのQOLを高めることを目的としたレクリエーションへの期待は、今後も高まるばかりです。
芸術にスポーツ!レクリエーションの種類
介護施設のレクリエーションの種類は、芸術系やスポーツ系、音楽療法、認知症ケアなど多岐に渡ります。芸術系のレクリエーションは、絵画・手芸・彫刻・陶芸など、手先を動かして行われます。自分の頭で創造して作り出す作品は、自己表現力を発揮し、できあがった作品を見返すたびに充実感や達成感も得られるでしょう。読書や書道などの文化的な活動も、介護施設入居者さまの孤独を軽減し、生きがいを見つけ出すことができます。
スポーツ系のレクリエーションは、ウォーキングやバドミントン、ストレッチなど、運動量を調整しやすい軽い運動がメインとなります。このようなレクリエーションは、身体の機能を維持することや、生活習慣病の予防にも効果的とされています。運動をするとリハビリ効果もあり、さらにチームプレイを行うことで協調性や社交性も高められます。
音楽系レクリエーションは、懐かしい音楽を聞いたり、鈴やタンバリンなど簡単に演奏できる楽器を取り入れて行われます。また、外部のボランティアを呼んで、演奏会やダンス、演劇などを上演してもらうことをレクリエーションのひとつとして取り入れている介護施設が多くあります。音楽やダンスなどのエンターテイメントは、脳や心に刺激を与え、リラックス効果も得られること、記憶力や認知機能の改善にも効果があります。
認知症ケアのレクリエーションでは、社交性を高める交流活動や手先・身体の両方を使った認知機能のトレーニングを行います。ボードゲームやカードゲームなど、介護施設入居者さまの集中力が続く限りの時間内で楽しめる遊びも多数存在します。季節の食材を楽しみ、栄養素の大切さを再認識できる料理や食事についてのレクリエーションも人気が高いです。
健康状態の確認やグループ作りがキモ!レクリエーションのポイント
レクリエーションを行う前には必ず介護施設入居者さまの健康や身体状態の確認をする必要があります。入居者さまは、毎日ゆったりと過ごされていることが多いため、突然身体を動かそうとすると、ケガや事故につながる可能性が考えられます。そのため、レクリエーション前のウォーミングアップも非常に重要です。
入居者さまが集まって行うレクリエーションは、グループ作りも大切なポイントとなります。これまで生きてきた環境や、生活習慣はひとりひとり異なるため、レクリエーションを円滑に進めるためには気の合う人同士を見極めてグループを組むことが大切です。グループでの活動を行う際は、日頃から介護施設入居者さまの交流関係に注目しておくと良いでしょう。
レクリエーションを幼児でもわかるような簡単な内容にするのは控えましょう。最初は楽しくてもあまりに簡単すぎると、やる気を失ってしまう入居者さまもいらっしゃいます。たとえ難しくても意欲的な姿勢で取り組める内容であれば、入居者さまの興味をひけるでしょう。自信を失っている入居者さまだと、どんな内容のレクでも「不参加」という意思表示をしてしまう方も多くいます。入居者さまが傷つかない有効な声かけを学び、できるだけレクリエーションの参加を促す必要があります。入居者さまの状況や声にしっかりと寄り添い、適切なアプローチを行うよう心がけましょう。
【しあわせ学校】 なごみの家川田の取り組み
介護現場でのレクリエーションの目的は、「身体機能や脳機能の活性化」「コミュニケーションの促進」「生活の質の向上」という3つです。しかし最も大切なのは、やはり入居者さまが仲間や介護スタッフとともに過ごす時間を安全に楽しんでもらうことだと当社は考えています。
東大阪市の川田にて運営している介護施設「なごみの家川田」では「しあわせ学校」と題したレクリエーションを行っています。月曜日から金曜日までの週に5回、入居者さまにフロアへ集まっていただき、学校の授業のように時間割を決めて進行しています。
算数の計算プリントや国語の漢字プリントの実施、ときには手紙を書き、体育と題したレクリエーションでは「ごぼう体操」や「ラジオ体操」などを行っています。時間割にはそのほかにも音楽や図工の授業も組み込まれています。授業を進める際には担当講師である介護スタッフをあらかじめ決めており、入居者さまだけでなく介護スタッフも生徒として参加することもあります。ケアーズサポート系列の介護施設社員も見学に来るなど、今では大きな取り組みとなっています。
「しあわせ学校」のはじまりは、実際に学校のチャイムの音が鳴ってからスタートします。しあわせ学校当日には、声掛けはもちろんのこと、チャイムの音で入居者さまが自然と集まってくることも習慣となりました。習慣になるまでは、入居者さまの集まりも悪く、また実施できない日も多々ありましたが、介護施設長自らが参加をすることで、実施できない日という部分を解消しました。また、交代制ではありますが「しあわせ学校」に合わせて、パートスタッフさんにも空き時間に参加していただいています。そのため、パートスタッフさんから「図工という名目で○○をしませんか?」といった提案の声も増えてきて、今では施設全体での有意義な取り組みとなっています。
「普通のレクリエーションと何が違うの?」と、コラムを読まれているみなさまは感じているのではないかと思います。ひとことでいうと、大きな違いはありません。ただし、なんとなくレクリエーションでプリントに挑戦するよりも、学校のチャイムや時間割を取り入れることで楽しみの幅が広がります。ほかにも「成績表を作成してお渡しする」「宿題という過程で、しあわせ学校がない日にも自身で取り組んでもらう」といった工夫も凝らしています。学校ならではのイベントである運動会など、介護スタッフも楽しめるような企画も実施しています。参加する入居者さまだけでなく、介護スタッフの楽しみも膨らみ、ともにストレスのかからない継続しやすい取り組みを心がけています。
当社の今後のビジョンとして、入居者さまだけでなく近隣や東大阪市の地域の高齢者の方々にも参加をしていただきたいと考えております。そして地域のつながりという大きな目標を実現していくために、継続し習慣化していくことが大切だと思っています。現段階ではまだまだ、小さな取り組みにすぎませんが、さらなる大きな目標に向けて当社介護スタッフ一丸となって取り組んでまいります。
「しあわせ学校」の様子は公式Twitterでも発信中!
東大阪市に3つの介護施設を運営しているケアーズサポートでは、日々の様子を公式Twitterにて発信しています。上記で紹介した東大阪市川田にある「しあわせ学校」での入居者さまの様子も定期的に投稿中です。たとえば「しあわせ学校」で配布されたプリントを自室に持ち帰って書き込んだり、積極的に復習をしたりと、常に楽しくレクに取り組んでいる様子や、ときには介護スタッフも参加をし、充実した時間を過ごしている様子などを発信しています。公式Twitterでは、当社の介護施設の日常が見えるので、介護職での転職を考えている方や、介護施設の求人を探している方にもぜひ見ていただきたく思います。
公式Twitter:https://twitter.com/VKoD4iqoUJFexMB
まとめ
介護現場での「レクリエーション」は、介護施設入居者さまに生きがいを与える非常に重要な役割を持っています。ケアーズサポートでは、他施設との差別化を図り、参加したくなるような充実した内容のレクリエーションを日々模索しています。入居者さまはもちろん介護スタッフも楽しむことで、新たな価値を生み出します。介護の仕事を探している方は、ぜひレクリエーションの見学にお越しください。