ケアーズサポート株式会社

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「小さな夢を叶えるお手伝い」プロジェクトの挑戦③ ~これが本当の自立支援 ガーデンホームなごみ東花園編~

「小さな夢を叶えるお手伝い」プロジェクトは、「ご利用者様の、やってみたい、行ってみたい、食べてみたい」など決して大きい夢でなくても小さくても実行する事で、ご利用者様・家族様・職員・関わる全ての人にとって価値ある想い出に繋げるという想いで発足したプロジェクトです。

 

~これが本当の自立支援 ガーデンホームなごみ東花園編~

小さな夢のお手伝いプロジェクト。今回は、ガーデンホームなごみ東花園にお住いの最年長96歳の女性、A子さんの物語です。

 

A子さんは6年前に、ご夫婦でガーデンホームなごみ東花園に入居されました。入居当時は、いつも旦那様の面倒をみている元気なご婦人でした。若い頃は踊りを教えたり海外によく行ったりと、非常に活発で行動力のある女性だったそうです。

 

しかし、現在は下肢筋力の低下により車椅子での生活が中心で、旦那様が数年前に他界され、その頃から意欲も低下気味になっていきました。ただ、いつも笑顔で暮らされていて元気な性格は変わらないので、今回のプロジェクトも喜んでくれるに違いない!!とメンバーも思っていましたが…。

 

ヒアリング当日、「Aさん、やりたいことや行きたいとことかってありますか?」…しばらく沈黙が続いたあと、ついにA子さんは口を開きましたが「行きたいとこもしたいこともないねん」と…。メンバーは予想していなかった答えに少し放心状態…「え~~~!!!」「若いときに海外に行ったりしていたから行きたいところはないのよ」A子さんは若い頃に海外などいろいろなところに行かれていたと、周りの利用者様にもよくお話をしていました。

 

職員はここで諦めては…という気持ちで、翌日以降もヒアリングを行いました。すると数日後、「昔、主人と一緒に百貨店によく行ったことを思い出したよ」とA子さん。職員が「もう1度、百貨店とかに行きたいですか?」と聞くと「うん、行きたいな」とおっしゃいました。

 

そして無事にA子さんの夢は「百貨店に行きたい」に決定しました!

 

ご家族様にも了承を得るために、A子様とのやりとりをお伝えすると「百貨店かぁ…確かに買い物は好きでした。でも少し遠いのでは…?またコロナもあるし人が多いところは少しね…」と、心配される声があがりました。そこで職員から、ケアーズ・サポート、介護サービスしあわせサポートとしての思い、職員の思い、何よりA子様の思いをご家族様にお伝えしました。

 

その頃、A子さんは車いすから歩行器を使用して歩く練習をおこなっていました。「買い物へ行けるということがA子様の歩く練習の糧になっていると、ご本人様よりお聞きしていたので、百貨店でなくても、近くの商店街でお買い物はどうですか?」と説明をすると、ご家族様は「近くなら安心かな、母親もいっているならお願いします」とご了承をいただくことができました。

 

A子さんは、当日まで「買い物もうすぐやな、歩ける練習もしとかな」と嬉しそうに頑張って歩かれていました。前日は、就寝の際「明日やな、眠られへんわ」と、ドキドキされていたのが伝わってきました。

 

そしてついにお手伝いの日がやってきました。事前に着ていこうと準備をしていた服に着替え、お化粧をされていました。「お化粧なんて久しぶりやわ」と鏡を見ながらニコニコとされ気持ちも若返った様に見えました。

 

そして、職員とともにガーデンホームなごみ東花園を飛び出し、目的の商店街へ到着しました。商店街につくと娘様とお孫様が待たれてて、A子さんも満面の笑顔になられました。

 

お店を見ながら「主人と来た事思い出す」とずっと笑顔でした。服屋に着くと車椅子から立ち、自ら服を選びはじめたのです!これには、ヘルパーもご家族様もビックリ!! 小さな夢を叶えるお手伝いがA子さんの自立支援につながっていると確信しました。

 

喫茶店でコーヒーを飲みながら「本当に嬉しかったよ!主人と買い物によく行っていたけど、もう行けないと思っていたから、本当に嬉しい、ありがとう」とおっしゃっていただき、職員も感動しました。そしてガーデンホームなごみ東花園に戻り無事にお手伝い終了となりました。

 

後日、ご家族様にメールにてプロジェクト参加のお礼と、お写真を送らせていただくと大変嬉しいお返事を頂けました。

 

メール内容を一部抜粋します。

【ご家族様からのメール】

家族だけでは、車椅子を使って母を外出させることは、なかなか大変なことで、どこにも連れ出せずにいた次第です。

 

そんな状況のなか、介護のプロである方々にお手伝いいただいて外出出来たことは、本当にありがたいことでした。感謝、感謝です。

引き続き、他の入所者様にも、喜びを与えてあげてください。

 

このメールをいただいたとき、ご家族様にとっても価値ある思い出作りになったと実感できました。同行したスタッフからも「感動しました」という言葉が聞かれたことも本当に嬉しく思います。「小さな夢を叶えるお手伝い」プロジェクトが、本人様、ご家族様、スタッフにとって価値ある時間になり、価値ある想い出につながったのだと…。

 

利用者様、ご家族様との価値ある時間を作るお手伝いができたことに心から感謝します。