ケアーズ・サポート株式会社にはさまざまな勤務形態があります。代表的な例としては「週休3日勤務」「早出固定勤務」「早出固定短時間勤務」「遅出固定勤務」「遅出固定短時間勤務」「夜勤専属勤務」「時短勤務」があげられます。これらを基準としながら、各介護士の家庭事情やライフワークを考慮し、必要に応じて調整をしています。最初の取り組みは「(ほぼ)夜勤専属勤務」で、7年ほど前のことになります。
昨今では、多くの介護事業者が夜勤専属介護士の採用を進めていますが、当時の介護業界は全介護士が、日によっては早出(7:00~16:00)、日勤(9:00~18:00)、遅出(12:00~21:00)、夜勤(16:00~翌9:00)をローテーションしていました。
ケアーズ・サポート株式会社も開業当初は多くの介護事業者と同様でした。
当然、生活リズムが整いにくく、介護士によっては疲れがとれないといったこともありました。肉体的にタフな介護士にとってはなんてないことですが、体力的に厳しい介護士にとっては辛いものです。
夜勤専属勤務の導入のきっかけは、正社員介護士の面接をしているときのことです。結果的に採用には至らなかったのですが、面接官からの「何か質問はございますか?」の言葉に対して、
「夜勤専属・介護士での勤務は無理でしょうか?」
「どうしてですか、何かご事情がおありなのでしょうか?」
「近くの実家に住んでいる父親に認知症状がではじめていて、母親だけで面倒を見るのが大変になってきました。夜勤専属なら、実家に顔を出せる時間が増えますし、両親の通院などにも同行しやすいのです」
このようなやり取りがはじまりとなりました。
その後、ケアーズ・サポートで介護士として働いている社員に、
「夜勤専属・介護士という勤務制度を導入したら、夜勤専属・介護士として勤務したい?」とヒアリングすると、2名の介護士から「夜勤専属・介護士として勤務したいです」という回答があり、早急に給与制度を改訂し、翌々月からは「夜勤専属・介護士」を正式な勤務形態として採用しました。
2名の介護士が「夜勤専属・介護士」を希望したことが「夜勤専属勤務」という当時ではめずらしい勤務制度を導入したきっかけですが、「夜勤専属勤務」制度を導入することで、夜勤勤務をしない介護士の働き方を、介護士自身が選択できるようになります。
介護士によっては、「好きな介護の仕事と同様に、ライフワークとして取り組んでいる●●をできる時間を確保したい」
あるいは、「ある程度子どもは大きくなったけど、朝食か夕食は子どもと一緒に食卓を囲んで食べたい」そんな要望を持っている介護士がいたことが決断の理由のひとつでもありました。
導入当初はやはり、さまざまな問題は起こりました。「夜勤専属勤務」であるがゆえに日中の現場の様子が把握できない。夜勤勤務をしない介護士との情報共有がうまくできずに、連絡事項がうまく伝わらない。そのようなことが起こるたびに、日中の利用者様の様子は口頭連絡ではなく、記録にする。各種の連絡はメールに切り替えるなど、さまざまな策を講じて解決方法を探っていきました。当初はこの問題解決のために、さまざまなツールや仕組みを導入していましたが、気づけば、問題はどこにあるのか?どうすれば改善できるのか?という考え方の改革につながり、いかに介護士に負担をかけずに情報を共有するのか?情報共有するためにもっと手間をかけない的確な方法(生産性の向上)はないのか?という働き方自体・仕組みの改革にもつながるようになっていきました。
「夜勤専属勤務」の導入にともない、さまざまな問題を解決することで考え方、働き方、生産性の向上ができはじめると、同時に介護士にもさまざまな事情が生まれます。
・生活リズムが整わないことでいつも疲れている介護士
・親の生活をサポートしなければならない介護士
・仕事と同じくらい取り組みたいものをもっている介護士
・子どもが思春期を迎えて、子どもと接する時間を毎日確実に持ちたい介護士
これら各介護士のライフステージに応えるために「週休3日勤務」「早出固定勤務」「早出固定短時間勤務」「遅出固定勤務」「遅出固定短時間勤務」「時短勤務」など、さまざまな勤務形態が増えていきました。
「夜勤専属勤務」制度の導入時から進めていた、ツールや仕組みの継続的な改善を行っていたことから、「週休3日勤務」「早出固定勤務」「早出固定短時間勤務」「遅出固定勤務」「遅出固定短時間勤務」「時短勤務」の導入時は「夜勤専属勤務」導入時ほどさまざまな問題は起こらず、比較的スムーズに導入が進みました。
振り返って感じることは、介護士のライフステージに合わせたさまざまな働き方の制度を導入するだけでは、きっと失敗していたように思います。多様な勤務形態に合わせて、さまざまな働き方をする介護士同士をつなぐ仕組み・ツールが必要であり、なおかつツールを使用する介護士の負担と手間、時間を削減するものでなければなりませんでした。当初は意図していなかったものの、さまざまな働き方をする介護士をつなぐ仕組み・ツールは大きな副産物として現在のケアーズサポート株式会社のDX・IT化のベースになっています。
今後も社会・経済情勢によって会社・事業者には様々な変化や決断が求められると思います。この時に時代の先を見て、高齢者と高齢者を支える介護士を見て変化や決断ができる会社・事業者でありたいと願っています。ケアーズサポート株式会社の東大阪市にある東花園・瓢箪山・川田と各施設では、ひとりの人間・介護士として成長し、その先にある豊かさを重要視している仲間を募集しています。詳しい採用情報は以下をご覧ください。