介護の仕事のなかでも重要な排泄介助。一方的に介助をするだけではなく介護される側の自尊心を尊重するために、さまざまな配慮が必要となります。この記事では、排泄介助の方法や介助中に気を付けたいポイントなどご紹介します。介護職で働いている方や、介護の求人を探している方はぜひ参考にしてください。
◎排泄介助とは
排泄介助とは、自分自身で排泄が出来なくなった方、または排泄の機能に障害を伴ってしまった方を介助することです。デリケートなケアのため、介護する側にとってもされる側にとっても大きな負担になってしまうことがありますが、介護される方の健康状態の確認や身体を清潔に保つために非常に重要な介助です。
自立した生活をおくるためにも、排泄のコントロール支援が大切です。排泄介助は介護士がトイレに連れていくだけではなく、さまざまな種類があります。
◎種類別排泄介助の方法
排泄介助の方法は大きく分けて4つあります。自分自身で歩くことができ、車いすでの移動も1人で行える方はトイレを使用します。歩きが不安定な方であれば、介護士がトイレまでの手引きをする介助が必要となります。車いすの場合は、トイレへの移乗の際の見守りが必要です。手すりなどがあれば、介護士はなるべく手を貸さずに見守る程度にとどめましょう。
便座に座った際には足がしっかりと床についているかを確認し、座位が安定している場合は、介護士は一旦トイレから退室し利用者さまから声がかかるのを待ちます。座位が安定していない場合は、バスタオルをかけるなどしてそばで見守ってください。排泄中に力むことがあると急に血圧があがり、立ち上がるときにめまいを引き起こすときがあるので注意しましょう。
持ち運んで使用できるポータブルトイレは、ベッドからの起き上がりは可能でも、トイレまで歩くのが困難な方に使用することが多いです。ベッドの横にトイレを設置できるので大変便利な介護用具ですが、水洗トイレのような洗浄機能はないため、ポータブルトイレの底にティッシュなどを引いておくと排泄物の処理がスムーズです。
ベッドの横に設置できるとはいえ、やはり人前で排泄をする恥ずかしさを感じてしまう利用者さまが大半です。下半身はタオルで隠す、もしくはカーテンなどの仕切りを利用するなど、介護士はプライバシーを守る配慮を徹底しましょう。
寝たままでも排泄が可能な尿器は、介護士の介助によって姿勢を変えることは可能でも、歩行やベッドからの起き上がりが難しい方に使用します。尿器で排泄介助を行う際は、お尻の下にタオルを引くと汚れを防げます。
介護士は、男性と女性で容器を添える位置が変わるという点を覚えておきましょう。男性は仰向けか横向き、女性は仰向けでの排泄介助が好ましいです。起き上がるのは難しい方でも両手が使える利用者さまなら、自身で尿器を持って排泄してもらうことで、自尊心が保てます。
おむつは、寝たきりの方や尿意が伝えられない方に使用する場合が多いのですが、排泄に失敗するのが不安という方がおむつを希望するケースも少なくありません。おむつを使用すれば介護士の負担が軽減できるというメリットもありますが、利用者さまにとっては、おむつで排泄をすることでトイレに行く回数が減ると同時に運動量も減ってしまうので、筋力の低下が懸念されます。
介護士は排泄介助をする際に、利用者さまの排泄物や皮膚の状態をさりげなく確認しましょう。排泄物を確認することで、些細な健康状態の変化に気付けます。また利用者さまが排泄後の拭き取りが困難な場合で介護士が拭き取りを行う際は、排泄物が陰部に付くのを防ぐため、前から後ろの方向に拭くのが好ましいです。ティッシュやタオルのほかに、吸収性の優れたおむつで拭き取ると汚れが広がらないのでおすすめです。
◎排泄介助で大切にしたいポイント
利用者さまに関わらず、誰しも排泄している姿は見られたくないものです。排泄介助が間に合わずに、失禁してしまったときには恥ずかしさに加え、申し訳なさも感じてしまう利用者さまもいると思います。
介護士が排泄介助中に不快な表情や気持ちを表してしまうと、利用者さまの心も傷つきます。排泄介助は介護士にとっても緊張感を伴う介助ですが、利用者さまの気持ちを汲み取ったふるまいを心がけましょう。
また利用者さまがどのタイミングで排泄するのか、ある程度覚えておくのもポイントです。排泄する時間帯を把握し決まった時間に声かけをすることで、利用者さまの排泄のタイミングも定着してくる場合があります。
とはいえ、決まった時間帯に排泄をしないからといって急かしたりせずに、利用者さまのペースに合わせて出来る限り見守るようにしましょう。自分で出来ることは積極的に行ってもらい、排泄の自立を目指すことも大切です。
◎まとめ
排泄介助はデリケートなケアでもあるので、利用者さまの気持ちに寄り添う介助を心がけましょう。ケアーズサポートでは排泄介助に役立つ情報や、介護士や利用者さまにとって安全な介護技術をYouTubeで配信しております。これから介護の求人を探す方や、介護技術に不安がある方はぜひ参考にしてください。
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