ケアーズサポート株式会社

一冊のスケッチブックから始まった、特別なスケッチの旅

夢を叶えるプロジェクト【かつて何度も通った場所で、もう一度スケッチを楽しむ特別な時間】懐かしい景色を前に絵具を走らせる手、「ここがええんちゃう?」と構図を決める彼女の横顔は、まさにアーティストの姿そのものでした。今回の主役はガーデンホームなごみ東花園のNさん!心温まるエモいシチュエーションや当日の様子をご紹介します!

 

プロジェクト決行のきっかけ

絵を描くことが大好きなNさんが、初めて見せてくれたスケッチブック。中には色鮮やかで温かみのある水彩画が並んでいました。「学生の頃から美術部で、社会人の時も同行会の皆と色々描いてたけど、もう昔の話やわ」と少し照れくさそうに語るその姿に、絵への深い愛情が感じられました。

聞けば、結婚や子育て、仕事に追われる日々の中で、スケッチの時間がいつの間にか遠ざかってしまったとのこと。ですが、目を輝かせて「ここでこんな絵を描いた」と話す姿は、あの頃と変わらない情熱を感じさせます。

そんなNさんに、もう一度特別な時間を届けたい。そう思い、このプロジェクトを決行することが決まりました。

 

決行前のハードル

最近のNさんは、日常のほとんどを自室で過ごされており、移動には歩行器が必要な状態。また感情起伏の波が大きく不安定になられる事もあります。今回の企画をお伝えすると、最初は「久しぶりやし楽しみやなー!」と笑顔を見せてくださいました。ですが、当日の朝「寒いしなぁ、一人で行くなら今日はやっぱりいいわ」と、腰が重いご様子…。

担当スタッフも内心ドキドキでしたが、「懐かしい景色が待ってますよ♪」など、優しく声をかけ続けた結果、「そんなん言われたら行くしかないやん!」と笑顔で準備を始めてくださり、思わずスタッフみんなで「よかったー」と胸をなでおろします(笑)

 

久しぶりのスケッチ、花園中央公園への道

行き先は、Nさんが何度も訪れてスケッチしていたという花園中央公園。川沿いを歩きながら、「昔はこんな感じじゃなかったんよ」「懐かしいなぁ」と、思い出話が次々と飛び出します。
公園に到着し、描きたい構図を探して散策を始めると、何度も立ち止まり、赤く染まった葉や、落ち葉の中に転がるどんぐりを拾い上げては、「ええわぁ」と大切そうにカバンにしまうNさん。少女のようなその仕草に、スタッフもつい笑顔になってしまいました。

 

 

アーティストの表情が戻る瞬間

「あの木の辺りが懐かしい!」「ここがええんちゃうかな」と、景色を見定めながら構図を決め始めるNさん。指でフレームを作り、景色の奥行きを確認するその姿は、まさにアーティストそのもの。

「遠近感が大事やね」とつぶやきつつ、スケッチを進める手際の良さには驚かされます。下描きが終わると迷いなく絵の具を取り出し、淡い色から一気に塗り上げていく。透明感のある水彩画が仕上がっていく様子にスタッフも引き込まれます。

つい話しかけてしまうと、「話してばっかりやったら集中できひんわ(笑)」と穏やかにたしなめられる場面もあり、そんな飾らない姿がとても素敵でした。

 

 

スタッフの想いやりと彼女の笑顔

作業が中盤に差し掛かった頃、「実はこんなものを作ってみました。」とスタッフが手渡したのは赤いベレー帽。

すこしでも雰囲気を楽しんで頂けたらと、この日の為に自作でベレー帽を作ってしまったんだそうです(笑)「こんなん、私に似合うわけないやん」と控えめにおっしゃりながらも、そっと被ってくださるNさん。

カメラを向けると照れ笑いを浮かべながらポーズを取ってくださる姿に、胸が温かくなりました。

 

帰り道、夕陽に照らされながら「行って良かったなあ」と笑顔で話してくれたNさん。「そのひと言が聞いた瞬間、すごく嬉しくて、私たちも特別な時間をいただきました」と話す担当スタッフ。

その後も、Nさんが写真を見せながら他の入居者様やスタッフに楽しそうにお話しされるご様子をみて、Nさんを通して会話が盛り上がっている光景にまた嬉しくなりました。

まとめ

誰かの「好き」や「特別な時間」をお手伝いする事は堪らなく良いものです。今回のスケッチ旅は、Nさんだけでなく、私たちスタッフにとっても心に残る一日となりました。これからも、その方らしい「好き」や「楽しみ」に気持ちを込めて寄り添い、小さな夢の実現をサポートしていけるよう、一つひとつ丁寧に取り組んでいきたいと思います。

 

▼当日の様子をInstagramでUP中▼

https://www.instagram.com/reel/DD9cIG9yN29/?igsh=ejZzOTRtOGp3bjBo

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【なごみの家かわだ】夢プロジェクト~秋の陽だまりに包まれて~