ケアーズサポート株式会社

介護業界の新たな取り組み「ケアビューティ」の推進でQOL向上

近年、介護業界ではメイクやネイルなど美容面でのアプローチを行う「ケアビューティ」というサービスが注目されています。当社にも先日、スケッターとしてケアビューティストさんが来訪してくれました。この記事では、ケアビューティの内容や介護業界で美容を推進するメリット、ケアビューティストさんの思いを綴っていますのでぜひご一読ください。

 

 

ケアビューティとは

介護施設の高齢者の方に特化した美容面でのアプローチをケアビューティと言います。要介護となり美容室などのサロンに通うのが困難となった高齢者の方に、介護施設や自宅に訪問してヘアメイクやネイルなどの施術を行います。ケアビューティを行う人材のことを「ケアビューティスト」と呼び、近年介護業界で需要が高まりつつあります。

 

 

ケアビューティの種類や内容

ケアビューティの種類は主にメイク、ネイル、エステティックの3つがあげられます。メイクは、気になるシミやシワを自然にカバーし、チークやリップなどを使用して顔色を明るく見せることができます。基本的なメイク技術はもちろん、ひとりひとりの肌に合わせてチャームポイントを引き出すようなセンスも必要となります。

ネイルは、利用者さまに好きなカラーを選んでもらうことからはじまります。施術者の所有するたくさんのカラーを目にするだけで自然と笑みを浮かべる利用者さまは多くいらっしゃいます。1日だけではなく、数日落ちないのがネイルの大きな魅力です。ふとした時に色付いた手元を見て幸福感も得られるでしょう。

エステティックは、血行促進や肌の保湿などに効果があります。ベッド上に横たわり、リラックスした状態でフェイシャルやフット、ハンドマッサージを行います。よい香りのオイルやクリームでの施術は、身体だけでなくこころも癒されます。要介護の高齢者であれば、身体の状態をしっかりとヒアリングした上で施術する必要があります。施術をしながら、昔話や世間話をするだけで元気になる方もいらっしゃいます。

そのほかにも、ヘアスタイリングやアロマテラピー、カラーコーディネートなど、ケアビューティとみなされるサービスは多くあります。

 

 

ケアビューティがもたらすメリット

ケアビューティは、介護施設に暮らす高齢者のQOLの向上に貢献できます。介護施設へ入居すると、ほぼ同じ介護スタッフや利用者さまと顔を合わせるだけの単調な日々になりがちです。メイクやネイル、エステを通して綺麗になることで利用者さまが社会に参加する意欲も湧きます。また、利用者さまだけでなく介護スタッフにもメリットがあります。介護施設内で実施するレクリエーションのように、いつもとは違う雰囲気を感じることで仕事へのやりがいが生まれます。

ケアビューティを通して、笑顔になる利用者さまが見られることや、美容についての会話ができるなど、コミュニケーションの幅も広がります。ケアビューティストの仕事ぶりをそばで見ることで美容の知識も得られるでしょう。また、ケアビューティに興味を持った介護士が、新たなスキルアップとして学ぶきっかけにもなります。

「高齢者の方と関わる仕事がしたいけど、好きな美容に特化したい」という方は、ケアビューティストの道も選択肢としてあげられます。さまざまな介護施設を訪問できることや柔軟な働き方ができる点もメリットといえるでしょう。実際に本業を持ちながら、空いた時間に施術を行なっているケアビューティストも多くいます。

 

 

ケアビューティストになるには

今後、介護業界でますます需要が増えるであろう「ケアビューティ」というサービスですが、要介護の高齢者の方を施術するには、美容の知識だけではなく、介護の知識もある程度学ぶ必要があります。

近年、介護福祉美容専門の講座が増えており、ネイル、メイクのほかにアロマテラピーなど、それぞれのジャンルに特化した講座があります。また、ネイルやメイクの現場を知るために、サロンで働くというのもひとつの方法としてあげられます。働きながら、空いた時間で介護に関する講座を受けていくと、ケアビューティストとして活躍できる近道となるでしょう。

本格的にケアビューティストとして独立したいという方は、専門のスクールに通うのがおすすめです。施術中の介護者とのコミュニケーション方法や、寝たきりの高齢者のケアの仕方、車いすの誘導方法など、美容以外の知識も得られるため効率よく学べます。さらに介護現場での実習や、フリーで働いていくための運営方法もレクチャーしてくれるので夢への実現度が高いでしょう。

ネイルケアに重点を置きたいという方は、まずネイリストの資格を取得するのが優先です。一般的なネイルの知識を取得していることは、ケアビューティストとして大きな強みとなります。介護についての知識は独学だけでなく、お住まいの地域が実施している無料の介護セミナーなどへ参加すると、より深い知識が得られるでしょう。

 

 

当社の介護施設に来訪したケアビューティストの体験談

当社が運営している介護施設は、職種問わず多くの方に来訪していただき、人とのつながりを築きたいと考えています。利用者さまのご家族はもちろん、介護ボランティアや地域の方と交流できるイベントなどを定期的に開催しています。

また、さらなるつながりを持つために「スケッター」というサービスを活用しています。スケッターとは、「介護の仕事を体験してみたい」「ほかの介護施設を見てみたい」という要望を持っている方や、介護のスキルを活かしてすきま時間に働きたい方など、多様なニーズを持つ人々と介護施設をつなぐマッチングサイトです。今回は、スケッターとして来訪してくれたケアビューティストAさんのお話をご紹介します。スケッターのAさんはケアビューティのひとつであるネイルケアを、当社の利用者さまに施術してくれました。

事前にお伺いすると、Aさんはスケッターとして訪れる際に2つの目的をお持ちでした。まずひとつめは「介護施設の利用者さまにネイルを楽しんでいただき、周囲の方とのコミュニケーションのきっかけにしてほしい」ということ。そしてふたつめは「ネイルケアを通して【ケアビューティ】というものを利用者さまや介護施設のスタッフのみなさんに知っていただきたい」というものでした。

「ネイルを楽しんでいただく」といった点では、体験された介護施設の利用者さまだけではなく、となりでお手伝いしていた当社の介護スタッフからも自然と笑顔がこぼれていました。ネイルをきっかけに介護スタッフと利用者さまの間に、いつもとは違う会話が生まれたため、とても有意義な時間を過ごしていたように感じました。また、参加されなかった利用者さまも、ネイルケアをしている利用者さまの楽しそうな雰囲気を感じ取ったのか「次はいつやるの?」「今度は参加してみたい!」などといった声があがっていました。

高齢者の方にネイルやメイクなどを体験していただき、楽しみや喜びを感じてもらうことを基本とし、社会参加の意欲促進やQOLの向上を最終目的としているケアビューティ。Aさんの2つめの目的であったケアビューティの周知はもちろん、介護スタッフや利用者さま、そしてご家族のみなさまにも、ケアビューティの素晴らしさも伝えられたと感じています。

Aさんは、現場で介護士として働きながら、ケアビューティを推進する活動を現在も実践されています。利用者さまにとっても楽しく価値ある時間となり、さらに当社の介護スタッフがケアビューティの存在や考え方を知るきっかけにもなりました。

参加された利用者さまからは「またネイルケアをしてほしい」というお声をたくさんいただきました。Aさんからも「実施する側としても楽しかった」「介護スタッフさんも積極的に協力してくださりとてもありがたかった」「ぜひまた声をかけて下さい」とのお言葉をいただきました。

当社は今後も、利用者さま、介護スタッフをはじめ、お手伝いしてくださる方、当社に関わる全ての方がハッピーになれるようなつながりを提供し続けていきたいと考えております。Aさん、利用者さまの素敵な笑顔をたくさん引き出してくださり本当にありがとうございました。

 

 

ケアーズサポートが運営する東大阪市の介護施設

当社では、東大阪市にて3つの住宅型有料老人ホームを運営しています。東大阪市川田にある「なごみの家川田」、東大阪市南四条町の「なごみの家瓢箪山」、東大阪市玉串町東の「ガーデンホームなごみ東花園」です。どの介護施設でも取り組む内容に違いはありますが、人とのつながりを大切にしながら運営しています。

今回ご紹介したケアビューティストとのコミュニケーションは、介護施設の利用者さまだけでなく介護スタッフにとっても学ぶことが多く、QOLを向上する活動だと考えています。利用者さまの「やりたい!」を応援する姿勢はもちろん、介護スタッフの「やりたい!」「成長したい!」という気持ちも尊重する職場です。介護業界に興味のある方、新しい分野にチャレンジしたい方は、まずはお気軽に見学にお越しください。

 

 

まとめ

単調な日々の繰り返しになりがちな介護施設での生活。ケアビューティを行うことで、利用者さまの生活に彩りをプラスし、生きる活力を与えることでしょう。当社は、地域の方との交流を絶やさず、スケッターなどを活用して人とのつながりを大切にし続けます。これからも介護施設の利用者さま、介護スタッフのQOL向上に貢献してまいります。

募集要項:https://caressupport.com/recruit-test/