近年介護業界では、人手不足や施設不足、低賃金などさまざまな問題が取り上げられています。介護施設で働く人のなかには、不平・不満を抱えている方も多いでしょう。東大阪市で介護施設を運営している当社では、独自の方法で介護職の価値の向上に努めています。この記事では、介護職の特徴や具体的な不平・不満、そして当社が考えている介護職の価値感や実際に取り入れている方法をご紹介します。
社会的にも価値のある介護職の特徴
介護職は、要介護者の高齢者や障がい者などをケアする仕事です。高齢化社会が進むなかで年々需要が増し、将来的にも成長が期待されている価値のある職業です。身体的・精神的な問題を抱える方の生活を支え、日々の楽しみや自分らしい生活を送れるようサポートをする非常に価値のある仕事ですが、長時間の立ち仕事や、介護施設における入居者さまの移乗介助、ベッド上での体位変換など、体力が必要なシーンが多い職業でもあります。
ほかにも、介護施設の入居さまの死に直面することもあるなど、健康や命にも深く関わるため、責任が重い仕事ともいえます。その一方で、入居者さまの日々の生活に刺激を与え、未来をより良くするサポートができるのでやりがいを感じやすい仕事です。介護スタッフとの連携や介護される方との日々のコミュニケーションを通して、価値ある学びを得られることも多いでしょう。
介護職には適切な知識と技術が必要ですが、未経験からスタートする方も多くいます。働きながら資格を取得し、スキルアップできるのも介護職の大きな特徴です。介護業界の資格の種類は、介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修や介護福祉士のほか、ケアマネージャーや理学療法士、作業療法士、レクリエーション、介護事務など多岐に渡ります。そのため、自分の興味のある分野にチャレンジしやすい職種でもあります。スキルアップやキャリアアップなど、自分自身の価値の向上や成長にもつながるでしょう。
介護の仕事は介護施設での勤務だけでなく要介護者の自宅を訪れ、掃除や洗濯、買い物などの生活支援を行う訪問介護のほか、自宅での入浴介助や訪問リハビリなどがあり、働き方の選択肢も多いのが特徴です。一般的な企業のように9:00~17:00といった勤務形態のほかにも、夜勤や早朝、ダブルワークなど、時間帯を調整して働くことも可能です。人手不足が懸念されている昨今、働き手ひとりひとりのニーズに合う雇用形態を用意する事業所も増えています。
介護職は社会貢献度が高く、スキルアップしやすいため自分自身の成長にも期待できます。さらに、多様な働き方を提供しているため、ダブルワークなども視野にいれて働くことで多くの価値を見出すことができるでしょう。
介護業界で働く問題点や不平・不満
魅力も多い反面、介護職には人手不足や給料の低さ、新しく入社した社員が定着しないなどの問題点も多くあげられています。介護の適切な知識や技術を習得しないまま勤務を続けると身体的な負担を感じる方も多く、実際に「腰痛離職者」という言葉も生まれているほどです。
新卒の正社員の初任給はどの職種と比較してもあまり差はありませんが、昇給制度の不透明さや、ボーナス面で不満を抱えている方も少なくありません。人生におけるライフステージ「結婚や出産」でも、安定した給料ではないことや、理解が乏しい職場であると離職率は上がる一方です。社員が定着しないのも、これらの理由が原因と考えると納得いくのではないでしょうか。仕事にやりがいを感じられなければ、自分自身の価値をも疑ってしまう方が増えてしまいます。
介護職では「サービス残業が多い」「経験年数を重ねても大幅な昇給が見込めない」といった声が聞かれます。介護施設の体制が整っていないために、サービス残業を強いる事業所が多いのも事実でしょう。勤務時間ギリギリまで入居者さまの対応をしたあと、介護記録の記入や夜勤のスタッフへの伝言記載のほか、入居者さまの家族対応、施設内の研修や勉強会など、サービス残業として取り扱われるケースも少なくありません。人手が少ない職場では「15分おきにコールが鳴るのが辛い」「定時を過ぎても仕事をしているのに手取りが15万円にも満たない」「この給料で働き続けることを考えると希望が見えない」など、不平・不満は尽きません。
ほかにも「認知症の方の対応がつらい」という不満も聞かれます。怒鳴られたり、暴力を振るわれるなど、認知症の方とのコミュニケーションは理不尽に感じるときもあるでしょう。認知症の入居者さまと接していて暴力から逃れるためにケガをさせてしまっても、介護スタッフを守るどころか責任転嫁されたというケースもあります。入居者さまの体調や気持ちの変化に対応しなければならないため、精神的に追い詰められている方もいます。
このように介護職に憧れて働きはじめても、現実とのギャップに苦しんでいる方は多いのではないでしょうか。介護業界で転職を考えている方は、介護事業所の体制や従業員を価値ある人材として尊重してくれているのかをしっかりと見極めることが大切です。
ケアーズサポートが考える介護職の価値
人手不足が顕著な介護業界で働く人は、それぞれに不平や不満を持っていると思います。介護業界で働いた事のある方ならこんな不満を聞いたことがあるのではないでしょうか?また、あなた自身もこんなことを口にしたことがあるのではないでしょうか。
たとえば「人手不足で大変」「上司に言っても人をいれてくれない」「こんなにしんどいのに給料が安い」「上司はケアの大変さをわかっていない」「実際にやってみたらいいのに新しい人が入ってもすぐに辞めてしまう」「残業が多くて身体が持たない」「人がいないのでお休みが取れない」
それに加えて「こんなに言っているのに会社は何もしてくれない」「これは私の担当ではないから…」などの愚痴を聞いたり口にしたことはありませんか?
一見、もっともらしいことを言っているように思えますが、果たして本当にそうでしょうか?とくに主任以上の管理職に携わる方がこのようなことを口にするのは、自ら自分自身の価値を下げる発言だと私は思えてなりません。パートさんならいざ知らず、正社員、正職員であれば上記のような「ただ文句を言うだけ」の発言は、会社や事業所はもちろん発言する方自身の価値さえも大きく下げるものだと感じています。
みなさん、心あたりはないでしょうか?
ケアーズサポート株式会社では「介護業界だけでなく一般企業でも活躍出来る人」を人財育成の基本としています。そのため、もし問題を感じるのであれば原因を分析し解決策を提案して、実施の承認を得ることが必須になります。ただ問題提起だけして、あとは「会社がどうにかして」と言う人と、問題の解決案を「このような方法で解決しませんか?」と提案して来る人、あなたならどちらが価値のある人だと思いますか?
介護スタッフを取り巻く環境は、給料や労働環境など恵まれない部分があるのは事実だと思います。ただそのことに対して愚痴や文句を並べて何か変わるのでしょうか?それとも誰かが何かを変えてくれるのをひたすら待つのでしょうか?まずは不完全でもよいので改善のための行動を起こすことに価値があり、大切なことだと考えています。「自らが考えて行動し、結果を考察して次に生かすこと」この繰り返しが介護スタッフの資質を高め、合わせて社会的な個人の価値を高めることだと信じて疑いません。
当社ではあえて「スタッフが1番」と伝えさせていただいております。日々介護業務の改善を行い、スタッフの満足のためには労力を惜しみません。女性・男性関わらず、育児休暇取得の推進やひとりひとりのニーズに合わせた雇用形態など、スタッフの負担にならない、なおかつ自己肯定感をあげられる働き方を提供し続けます。自分自身の価値を高めてこそ、収入も増え生活が豊かになるのではないでしょうか?
当社では、「自ら考え行動し、結果を考察して次に生かすこと」を継続的に実施し、介護スタッフの社会的な価値の向上に努めていきたいと考えています。
改善提案書の導入でスタッフひとりひとりの価値を高める
当社は東大阪市川田「なごみの家川田」、東大阪市玉串町東「ガーデンホーム東花園」、東大阪市南四条町「なごみの家瓢箪山」の3つの住宅型有料老人ホームを運営しています。どの施設でも「改善提案書」を導入し、日々の業務で気づいた点をすぐに報告できる仕組みを作っています。改善提案書は、正社員やパートさんなど職位関係なくいつでも提出が可能です。不平・不満を感じたらそのままにせず、その問題はどうすれば解決できるのか、解決したあとにどんなメリットが得られるのかまで記載したうえで改善提案書を提出してもらいます。自らが不平・不満への解決策を考え、提案することに価値があると考えています。
改善提案書を活用することで、現場に目の届きにくい上司でも問題点を即座に把握できます。改善提案書の内容に目を通したら、その提案が適切なのか、それとももう少し具体的な改善案はないのかなど、問題解決に向けて的確なフィードバックを行っています。「どうせわたしの意見など通らないだろう」「なにを言ったって同じ」と、悲観的になる必要は一切ありません。当社では、個人の意見を尊重し自分自身の価値に気づいてもらえるよう取り組んでいます。
日々届く改善提案書に書かれる内容は、施設内の清掃のことやレクリエーションの取り組み、入居者さま・スタッフが過ごしやすい環境づくりについてなどさまざまです。介護グッズや、業務がスムーズになるためのアイテムの導入など、費用面でも大小さまざまです。どんなささいなことでも気付いた点をいつでも声に出せる環境は、業務の円滑化はもちろん、介護スタッフひとりひとりの価値をあげられると実感しています。
まとめ
問題点や不平・不満ばかりに目が集まりがちな介護業界ですが、環境や考え方次第で価値を高められます。当社では、働く人材の成長を目標に掲げています。職場での不平・不満で悩まれている方は、東大阪市にあるケアーズサポートへお話しください。経験者はもちろん、未経験の方も大歓迎です。ともに成長できる職場で、介護職の価値を高めていきましょう。